RSウイルスの飛まつ感染や接触感染を防ぐための有効策としては、次のようなものがあります。
<日常的に触れる物の消毒>
子どもたちが日常的に触れる食器類、おもちゃ、ベッドの手すりなどは塩素系の消毒剤やアルコールでこまめに消毒します。<手洗いの励行>
石鹸を使った流水での手洗いや、アルコールでの手指の消毒を心がけましょう。ちなみに、RSウイルスは、石鹸、アルコール、塩素系消毒薬などに弱いという特徴をもっています。
<抱っこにも注意>
ウイルスに感染している子どもや乳児・新生児を抱っこすると服にウイルスが付着するため、感染している疑いのある子どもを抱っこするときは、上着、割烹着、エプロンなどのような衣服を羽織るように心がけましょう。<マスクの着用>
風邪と同じく、飛まつ感染の予防には、マスクの着用が最も効果的です。ウイルスに感染している乳児を抱っこする際や授乳をおこなう際も、できるだけマスクを着用しましょう。
最近では、薬剤投与によるRSウイルス感染症の予防も行われるようになってきました。
早産児、気管支肺異形成症の治療を受けたことのある新生児・乳児・幼児、先天性心疾患の新生児・乳児・幼児、免疫不全やダウン症候群の新生児・乳児・幼児は、遺伝子組み換え技術を用いて作られた「パリビズマブ」「シナジス」という、モノクロナール抗体製剤(対RSウイルス単クローン抗体)の投与対象となっています。
モノクロナール抗体製剤の投与は、筋肉注射によって、RSウイルス感染症の流行初期から1ヵ月ごとに行われます。
モノクロナール抗体製剤を投与することで入院率が低下する効果も確認されており、現在は製剤の投与は保険の対象となっています。