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大人のRSウイルス感染症の症状と妊婦の感染リスクについて

大人がRSウイルスにかかったら

大人もRSウイルスに感染することがありますが、大人はRSウイルスに対する免疫を持っているため、発症してもほとんどは軽い風邪のような症状が出るだけです。

しかし、RSウイルスに感染した子どもと接する機会が多い医療スタッフや、感染した子どもの家族などは、症状が重くなり、気管支炎や肺炎を起こす事例も報告されています。
そうした重篤な症状が出た際は、38度以上の熱が5日程度続く場合もあります。

また、高齢者がRSウイルスに感染した場合、急性下気道炎の原因となることもわかっています。

現在のRSウイルス感染症に対する認知度は 決して高いとはいえず、妊婦を対象とした調査では、7割以上がRSウイルス感染症について名前すら聞いたことがないという結果が出ました。
さらに、2歳未満の乳幼児を持つ両親を対象にした調査では、6割以上がRSウイルス感染症がどのような病気なのか知らないということもわかっています。

妊娠中のRSウイルス感染


RSウイルスは、トキソプラズマ症、風疹、サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルスなどとは異なり、妊婦が感染しても胎児に影響はありません。
ただし、大人のRSウイルス感染症は症状が軽いとはいえ、妊娠中は体力が落ちているので、通常よりは注意が必要でしょう。

妊娠中は薬の服用に慎重になりがちですが、妊娠中であることを告げた上で医療機関から処方された薬であれば、服用してもまったく問題はありません。

どうしても薬には頼りたくないという方は、のどの痛みを和らげるトローチ、ビタミンを含んだサプリメントや飲料などを摂取し、栄養と休息をとりながら回復を待つことになります。

出産後の新生児には、授乳の際などにRSウイルスに感染する場合があるので、出産までに完治するよう努めましょう。

周囲への感染に注意

大人がRSウイルスに感染した場合、感染したことに気づかず、ただの風邪だと判断して日常生活を送ると、知らないうちに周りの子どもや乳幼児にRSウイルスをうつしてしまうことがあります。
従って、家族の感染を防ぐためには、RSウイルス感染症の具体的な症状を十分に知っておくことが重要になります。

RSウイルス感染症の各症状別治療法を解説

RSウイルス感染症には特効薬がないため、各症状に応じた対症療法で治療を行うことになります。
RSウイルス感染症にかかったら、風邪などの場合と同様、水分補給、睡眠、保温、休息がきわめて大切です。

それでは、各症状別にRSウイルス感染症の治療法を紹介させていただきます。

■発熱

タオルに包んだ氷、冷水に浸してよく絞ったタオル、市販の冷却シートなどを使って、冷やしたり、アセトアミノフェンなどの解熱剤を用いたりして熱を下げます。

■喘鳴(ぜんめい)

鎮咳去痰(ちんがいきょたん)薬や気管支拡張薬などを投与して、気管支の症状を和らげます。

■合併症

細菌感染の合併症を起こしている可能性があるときは抗生剤を投与します。
RSウイルス感染症の合併症として最も多いのが中耳炎です。

■せき

気管支を広げる薬や、痰を切りやすくする薬、のどの炎症を抑えるステロイド薬などを投与します。

■ミルクの飲みが悪い

輸液(栄養剤や薬液などを一定時間血管を通して体内に入れること)による栄養補給を行います。

■細気管支炎・肺炎

吸引や去痰剤を使って気道分泌物の除去をしたり、胸部をタッピングして痰の排出を促したりして、呼吸を楽にします。
加湿器などを使って部屋の湿度を保つようにし、呼吸がしやすい体勢でゆっくりと休息をとりましょう。

■無呼吸症状

新生児や乳児に無呼吸の症状があらわれた場合は、呼吸刺激作用のあるキサンチン製剤を投与します。


脱水症状を起こしているのに水分が補給できない、呼吸困難が激しいといった重篤な症状が確認された場合は、入院して栄養剤の点滴や酸素吸入などの処置を行う必要があります。

ちなみに、アメリカでは、RSウイルス感染症の治療薬としてリバビリンが認可されていますが、日本ではまだリバビリンの治療効果が確認されておらず、無認可の状態となっています。

RSウイルス感染症の予防法-飛まつ感染・接触感染を防ぐために

RSウイルス感染症にはワクチンなどの有効な予防法がないため、飛まつ感染や接触感染を避けることを何よりも重視し、日常生活の中で具体的な工夫をしていくことが大切になります。

RSウイルスの飛まつ感染や接触感染を防ぐための有効策としては、次のようなものがあります。

<日常的に触れる物の消毒>

子どもたちが日常的に触れる食器類、おもちゃ、ベッドの手すりなどは塩素系の消毒剤やアルコールでこまめに消毒します。

<手洗いの励行>

石鹸を使った流水での手洗いや、アルコールでの手指の消毒を心がけましょう。
ちなみに、RSウイルスは、石鹸、アルコール、塩素系消毒薬などに弱いという特徴をもっています。

<抱っこにも注意>

ウイルスに感染している子どもや乳児・新生児を抱っこすると服にウイルスが付着するため、感染している疑いのある子どもを抱っこするときは、上着、割烹着、エプロンなどのような衣服を羽織るように心がけましょう。

<マスクの着用>

風邪と同じく、飛まつ感染の予防には、マスクの着用が最も効果的です。
ウイルスに感染している乳児を抱っこする際や授乳をおこなう際も、できるだけマスクを着用しましょう。


最近では、薬剤投与によるRSウイルス感染症の予防も行われるようになってきました。

早産児、気管支肺異形成症の治療を受けたことのある新生児・乳児・幼児、先天性心疾患の新生児・乳児・幼児、免疫不全やダウン症候群の新生児・乳児・幼児は、遺伝子組み換え技術を用いて作られた「パリビズマブ」「シナジス」という、モノクロナール抗体製剤(対RSウイルス単クローン抗体)の投与対象となっています。

モノクロナール抗体製剤の投与は、筋肉注射によって、RSウイルス感染症の流行初期から1ヵ月ごとに行われます。
モノクロナール抗体製剤を投与することで入院率が低下する効果も確認されており、現在は製剤の投与は保険の対象となっています。

RSウイルス感染症の症状-乳児・新生児の肺炎/気管支炎/喘息について

RSウイルスの検査

冬に子どもが風邪のような症状を起こした場合、3〜4割程度の可能性でRSウイルス感染症を発症していることが疑われます。

RSウイルス感染の有無は、抗原検出キットを使った検査によって診断します。
この検査は、従来までは3歳未満の入院児のみが保険適用の対象となっていましたが、2011年秋からは、外来患者も保険適用の対象となりました。

RSウイルスの症状(乳児・新生児)

1歳未満の乳児がRSウイルス感染症に感染した場合、細気管支炎による喘鳴(ゼイゼイとのどが鳴ること)、痰がつまったせき、多呼吸、無呼吸などの呼吸器系の症状が出ることが多くなります。

特に6ヶ月未満の乳児や心臓に基礎疾患を持っている子供・早産児などは、肺の容量が小さい上、気道の壁が厚いという特徴を併せもっているため、呼吸困難をはじめとする重い呼吸器疾患を引き起こす可能性が高く、入院して呼吸管理をすることが必要になります。
数時間程度で突然重症化することがあるので、RSウイルス感染症を発症している子どもからは決して目を離してはいけません。

1歳以下で初めてRSウイルスに感染した場合、せきの悪化や呼吸困難などの比較的重い症状が出る可能性は、約3割といわれています。

また、新生児から生後3ヶ月までの乳児には、無呼吸発作の症状が起こる可能性が高くなることがわかっています。

RSウイルスで気管支炎や上気道炎にも

RSウイルスには何度も感染する可能性がありますが、幼児がRSウイルスに再感染した場合は、細気管支炎や肺炎の代わりに上気道炎が増え、合併症として中耳炎を発症するケースも見られるようです。

今年は、現時点で報告されているRSウイルス感染症の患者数のうち、1歳以下の乳児が全体の約76%を占めています。

RSウイルス感染症の特徴(流行時期|潜伏期間|感染経路|感染期間)

RSウイルスとは

RSウイルス感染症は、マイコプラズマ肺炎と並んで、冬季に患者数が急増する代表的な急性呼吸器感染症です。

このRSウイルス感染症は、RSウイルス(respiratory syncytial virus)というウイルスに感染することによって発症します。

RSウイルスは世界中に分布しているウイルスで、2歳までに100%近くの子どもが一度はこのウイルスに感染するといわれています。
初めての感染でRSウイルス感染症を発症した場合、症状は重くなりやすく、細気管支炎や肺炎を引き起こす場合もあります。

RSウイルス感染症は、毎年冬に流行する疾患とされていましたが、2011年以降は、7月から徐々に報告数が増える傾向にあります。

2013年も、すでに大流行した昨年度を上回るペースで患者数が増加しており、特に東京・大阪・福岡などの大都市圏や九州の地方都市では、2011年の3倍の患者数が報告されています。

RSウイルスの感染経路

RSウイルスの感染経路としては、感染者の咳やくしゃみを吸い込むことで感染する飛まつ感染、ウイルスが付着した手、ドアノブ、コップなどを触ったりなめたりすることによる接触感染などが考えられます。

このため、乳幼児のRSウイルス感染を防ぐには、食器やおもちゃの共有などはできるだけ避け、手に触れたものは可能な限り消毒するよう心がけることが大切です。


RSウイルスの潜伏期間

RSウイルスの潜伏期間は2〜8日程度で、その後発熱や鼻水などの風邪のような症状が現れます。

発症者の約7割は、そのまま数日から1週間程度で症状がおさまりますが、その後、咳がひどくなったり呼吸がしづらくなったりし、肺炎や細気管支炎へと進展する例もあります。

入院が必要なほど重症化するケースは、全ての患者の1〜3%程度ですが、上記のような肺炎や細気管支炎が疑われる症状が出た場合は、すみやかに医師の診断を受けることが重要になります。

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