RSウイルスの検査
冬に子どもが風邪のような症状を起こした場合、3〜4割程度の可能性でRSウイルス感染症を発症していることが疑われます。RSウイルス感染の有無は、抗原検出キットを使った検査によって診断します。
この検査は、従来までは3歳未満の入院児のみが保険適用の対象となっていましたが、2011年秋からは、外来患者も保険適用の対象となりました。
RSウイルスの症状(乳児・新生児)
1歳未満の乳児がRSウイルス感染症に感染した場合、細気管支炎による喘鳴(ゼイゼイとのどが鳴ること)、痰がつまったせき、多呼吸、無呼吸などの呼吸器系の症状が出ることが多くなります。特に6ヶ月未満の乳児や心臓に基礎疾患を持っている子供・早産児などは、肺の容量が小さい上、気道の壁が厚いという特徴を併せもっているため、呼吸困難をはじめとする重い呼吸器疾患を引き起こす可能性が高く、入院して呼吸管理をすることが必要になります。
数時間程度で突然重症化することがあるので、RSウイルス感染症を発症している子どもからは決して目を離してはいけません。
1歳以下で初めてRSウイルスに感染した場合、せきの悪化や呼吸困難などの比較的重い症状が出る可能性は、約3割といわれています。
また、新生児から生後3ヶ月までの乳児には、無呼吸発作の症状が起こる可能性が高くなることがわかっています。
RSウイルスで気管支炎や上気道炎にも
RSウイルスには何度も感染する可能性がありますが、幼児がRSウイルスに再感染した場合は、細気管支炎や肺炎の代わりに上気道炎が増え、合併症として中耳炎を発症するケースも見られるようです。今年は、現時点で報告されているRSウイルス感染症の患者数のうち、1歳以下の乳児が全体の約76%を占めています。